Vol. 23 (TIMES)

 

不服2018-5578

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1.結論                                                                                    

本件商標が引用商標と類似すると判断された一方で、商品と役務が非類似と判断され、本件商標の登録が認められた(商標法4条1項11号非該当)。

          

2. 概要
ソフトウェアの用途及び需要者が異なり、販売部門及び生産部門が共通する事情もないとして非類似とされた。用途及び需要者について具体的に以下のとおり述べられていた。

 

本件商標のソフトウェア

引用商標のソフトウェア

用途

会社及び事業者等がデザイン・作画に用いる

カーナビゲーション装置用の地図情報等を提供する

需要者

広告制作や印刷を専門的に行う事業者

カーナビゲーション装置を組み込んだ車両に関連した自動車メーカー・運送事業者及び一般需要者

 

3.コメント
Vol.6
OASIS
)の記事でも願っていたとおり、長年、筆者は本件のような事例を待ちわびていた。この仕事を始めた時から、あらゆる分野のソフトウェアが類似と推定されていることに疑問があった。11C01の類似群コードが付されてしまっていることは仕方がないとしても、需要者が全く異なるソフトウェアについて、類似の推定が覆る事案があってもよいだろうと思っていた。なので、筆者は、本件審決を見て非常にテンションが上がっている。

 

実際、先行商標を理由に拒絶理由を受けた際に、ソフトウェアの分野が異なる旨の主張をして登録にならないかと、顧客から質問をされることが時々ある。その度に一応反論はできると伝えつつも、お勧めできるとまでは言えなかった。今後は、しっかりと本件審決を根拠として示し、反論を提案することができる。

 

とはいえ、現実的には、相変わらず一筋縄ではいかない。まず、本件のように不服審判までもつれる可能性はあるので、余分な費用と時間がかかるかもしれない。また、先行商標の指定商品は「○○用ソフトウェア」のように限定されておらず、上位概念の「電子応用機械器具」や「コンピュータソフトウェア」のようにされていることが多いため、そもそも、反論のステージに立てないことも多々ある。仮に、商品「電子応用機械器具」を指定する先行商標がAという分野のソフトウェアのみについて使用されていた場合、Bという分野のソフトウェアを指定する後願の出願人は、不使用取消審判を請求し、Aという分野のソフトウェア以外の電子応用機械器具を取り消す必要がある。これでやっと反論(A分野及びB分野のソフトウェアが非類似という主張)のステージに立てる。その上で、反論が認められなければ拒絶査定を受け、不服審判にて再度反論するという手順になる。気の遠くなる話である。制度的に何とかしてほしいものだ。

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